【コラム】事故物件!?心理的瑕疵?前住人が風俗だったら①【風俗と法】

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ほら、あなたの後ろに売れない風俗嬢の霊が……

事故物件は人が死んでる物件。ま、風俗関係なくわかりやすいダメな物件です。
不動産の世界で「瑕疵」と言われるものには「頬に傷のある人」とか「変なウワサが立ってる」も含まれます。さて、それが風俗営業だった場合ってどうなるんでしょう?
ホテトルやマントルは廃れ、電話一本あれば始められるデリヘルが中心にはなって参りましたが、事をイタすのは生身の男女。当然場所は必要なワケです。しかも、風俗で重要なのって実はいかにカワイイ女の子を揃えるかってよりは「いかに急な需要に応えるか」。ヤりたい気持ちなんて一過性のもの。その盛り上がりを逃してたらオシマイなので、待機所に女の子をいっぱい待機させとくのが大事なんですな。
ホテヘルの受付があるのはほとんどがイカニモ~なビルですが、待機所は色んなパターンがあります。女性もアヤシイビルに出入りしたくないですし、ふつ~~~のマンションに入ってることも多いのです。

前住人が、アヤシイ商売をしていたら……

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ケース1:エロマンガみたいなマッサージサロンが前住人だった!

この判例の引用・参考文献:「暮らしの判例 居住用マンション売買契約において、特殊風俗事業に使用されていたことを隠れた瑕疵と認めた事例」『国民生活 消費者問題をよむ・しる・かんがえる』2014年10月号、pp34-36
最近は客商売向けでないの建物の一室でネイルやアロマのサロンを開業する人も増えてます。そりゃまあネイルやアロマだったらどーでもいいですが(設備の磨耗は早そうですが……)、アロマオイル、マッサージ、密室……エロい連想しますよね?その通りの商売を前住人が行っていたという例がありました。(福岡高裁平成23年3月8日判決『判例時報』2126号70ページより)

アロマセラピストとして採用された女性が、芳香性のエッセンシャルオイルを顧客の身体に塗布してマッサージを行い、男性の顧客の要望により、性的サービスを行うこともあった(店舗型あるいは無店舗型の性風俗特殊営業)。

で、それがウワサになっちゃって、マンションの管理組合が追い出したんですね。その後リノベーションはしたものの、次の入居者に説明されていなかったわけ。

過去の経緯をウワサで知り、奥さんはウツに……

この事件、管理組合が追い出した=ウワサになっていたってのがよくなかったんでしょうな。新入居者夫婦の奥さんは

Xの妻は本件居室に関する上記情報を知ったことが原因で心因反応となり、不眠・憂うつ感・全身倦怠(けんたい)感・意欲低下・日常生活における困難性などの症状が出たため、心療内科の治療を長期間受けた。

そうです。ちょっとケッペキすぎっつうか、中古マンション買うなよっつー感じもするんですが、これって直接物件がダメだったことよりもヒソヒソ話に耐え切れなかったみたいです。

賠償請求と結果

で、まあ当然損害賠償請求でございます。新入居者側は、「マンション所有者に瑕疵担保責任」600万、「仲介業者に債務不履行」150万で賠償請求。前者は棄却。後者は減額(70万以内)という判決になり、新入居者と仲介業者は控訴しました。

風俗営業は物件にとって瑕疵なのか

賠償請求の後者、債務不履行に関しては「説明不足」ですからわかりやすい話です。前者は「それって瑕疵なの?」ということが問題になります。

瑕疵ってなんだ

民法570条で規定されてるものです。

売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

物理的欠陥はもちろんですが「近所にヤな施設がある」等の心理的瑕疵、つまり「イメージがよくない」っていうも含まれます。

ケース2:ビルの一室で、「風俗嬢の性病検査等のための使用」……!?

この判例の引用・参考文献:「テナントビルの貸室の賃貸借において、賃借人がその関連会社に対して風俗嬢の性病検査等のための使用を認めたことが用途違反に当たり、賃貸借契約の解除が肯定された事例」『Lexis判例速報 』2007年5月号、pp34-36
 近所にヤーさんの事務所がある……なんてのはわかりやすいですよね。じゃ、部屋でヘンなコトしてるっていうのはイメージを損なうことになるのでしょうか。次回は「イメージ損なうから出てって!」というのが認められた事例を見てみたいと思います。

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